18.6.14 177日目 新疆ウイグル自治区 ウルムチ

7時叩いて起こされる。
起きると背中にSWATと入った中国公安警察だった。
列車内検問みたいだった。パスポートを渡す。

眺めていると10分以上俺のパスポートを見たり写真を撮ったりしている。
なにをそんなに見る必要があるのか分からないし、面倒臭い感じになりそうだなと思った。

1番警察が気にしていたのは俺が1回目に入国した時に取った中国ビザだった。
中国ビザはとっくに期限が切れていた。その後2回入国している。

ただ中国ビザを作った時に、ビザが貼られた場所がなぜか入国スタンプの4ページ先だった。その後、あいてしまった3ページを埋めるため、台湾やあと2回の中国スタンプはビザの手前に押して貰っていた。
はたから見れば最新ページが切れている中国ビザになる。
変なとこに貼りやがってとは思っていた。宿でパスポート出す時も毎回説明が必要だった。

何度も警察に説明した。
今回3回目でこのビザは1回目の時だから関係無いと。
スタンプの日付見れば分かるだろと。
ただ通じていないみたいだった。

中国語でガンガン聞いてくるが分からないと何度も言う。
しばらくして警察はスマホの翻訳アプリを出した。
本当に不思議なのはなぜ最初からそうしないのだろう

ビザの期限切れてるけど?
1回目に来たときのビザだからそれは今は関係無い。
2回目と3回目のビザは?
日本人は15日間はビザはいらない。
と答えて、なるほどーって顔してた。面倒臭い。


そこからも質問攻め。
何しにウイグルへ行く?
観光。
中国のどこから来た?
西安。その前は呼和浩特。
中国の友達は?どこにいる?どこで会う?そいつの連絡先は?
いないし、会わないし、連絡先も無い。
なんで?じゃあどこに行く?
観光

最後の質問がしつこかった。
30分ぐらいで解放された。今までこんなことは無かった。
色々難しい、中国もピリピリしているエリアに入るんだなと実感する。

窓の外は荒野。ここもタクラマカン砂漠なのかなんなのか。
モンゴル移動の時に見たゴビ砂漠に似ているけど、違うのは遠くに山が見えのと、めちゃくちゃ建物があること。
荒野の真ん中にぽつんと採掘現場なのか発電所なのか、数百メートルおきにある。ホントに色々中国って凄い。



カップ麺を食べて、ベッドでボケッとしてたら、また公安が来た。しかも3人に増えている
そこからまた翻訳アプリを使って質問攻め。

ウイグルに何しに行く?
観光
ウイグルに何日いる?
1週間ぐらい
その後どうする?
カザフスタンに行くから、バスのチケットが取れたら出国する。
ここまでの中国の行程は?なぜ3回も来る?
桂林から入って全部観光
中国の友達は?連絡先を教えろ。
いないし、俺も電話番号持ってない

重複した質問も多いし、何日いるかと中国の知り合いを教えろを何度も聞いてくる。
一人で旅行してると言っても変な顔するし。
カザフスタンに行くから通過するだけだ、バスチケットが取れたら出国する。
たぶん、ウー、リョー、チー日だと数字だけ中国語で言ったら解放された。
30分ぐらいだった。周りの中国人も野次馬で見に来るし、上下のベッドの中国人にも迷惑だし

3人の警察は高圧的な感じでは無く、本当に警戒しているのが伝わって怖かった。
最後はみんなセンキューと言って帰っていった。
終わると下のベッドのおじさんがヨーグルトジュースくれた。

10時、ウルムチ南駅に到着。
切符はウルムチ駅まで買っていたが、あとから中心地は南駅だと知ったので1駅前で降りる。


駅前のいつもの看板。
内容は一緒だけどウイグル文字も書いてある。チベットの時もチベット語だった。


ウルムチの街中は中国人が多いけど、顔つきの違うウイグル人も、ロシア系に近いの顔の人も見かける。カザフ人と呼ばれる人達なのか。

そして警察の数が尋常じゃない。
中国の他の都市も多いけど比べものにならないほど多い。
そこら中にいる。1ヶ所に5人ぐらいいるし、しっかり武装している。
そうとう色々なことを警戒している。
ただ歩いている分には他の都市と一緒。
大きなバッグを背負っていても見向きもされないし、何も感じない。

1番ビックリするのが、全てのお店やホテルに金属探知機とX線検査機が設置されている。
大きなお店やホテルは警察も配置されてボディチェックもしている。
それと、道に面している店舗以外の建物は、大きなゲートがあって、門はロックされており鍵が無いと中に入れない。そのゲートの内側にマンションやお店がある。
通り以外は、どこに入るにしても鍵がいる。こんな街は初めてだった。

駅から目当てにしていた宿は3軒固まって2kmぐらい先の場所にある。歩いて向かう。
着くと、その場所もゲートの内側の敷地内だった。
ただ鍵はなく、警察が何人か入り口にいた。

敷地の中は大きなマンションが何棟も建っていた。
どうも宿はマンションの1室っぽい。
1つめに向かうが看板も無ければ、どこかもさっぱり分からない。
地図ではたしかにここを示しているが何も無い。
周りの人に聞くと、住所を見てこの棟だとは言うが宿は知らないと言う。

諦めてもう1軒に行く。
ただそこも一緒。看板も無いし、何も無い。
もう1つも一緒。


ここまでで1時間半彷徨った

入り口の警察に聞く。
すると自分のスマホで調べたり、一緒にマンションを見に行ったりしてくれたが、分からないという
入り口の警察がまったく知らないのだから、看板とか目印になる物が本当に無い。
ひとまずこの場所にある3軒は諦める。マンション内のは見つけられないみたいだった。

他の宿はどこも遠い。路線バスの番号とかも分からない。
中心地から離れるが1番確実なのは、地球の歩き方にも載っていて、ネット記事で泊まった人の感想も読んだ宿だった。
ウルムチはタクシーがそこまで高くないみたいなので、タクシーで向かう。
15分ぐらいで13.5元、220円。

着くとその場所には似た建物があったが中は廃墟だった
隣の建物の人に聞くと閉店したと言われる

再びタクシーに乗り、そこから1番近い調べていた宿へ。
普段は3ヶ所ぐらいしか調べてこないが、今回はウイグルだということと、普段使っているagodaに登録件数が少なく、他の予約サイトも使って6ヶ所調べてあった。

タクシーで15分ぐらい、14.5元、240円。
ここもゲートの内側の大きな敷地内だった。
ただ鍵を開けて入る人はひっきりなしにいて、みんな後ろについて入っていたので一緒に中に入る。

ただここも敷地内はマンションが何棟も建っている30棟近くある。
地図に書いてある場所に行くが何も無い。それらしき看板も無い。
住所に書いてある棟の1階にあった店舗に入り、中にいたおじさんに宿を知らないか聞いてみる。
おじさんは知らないらしい。
スマホで色々調べてくれた。汗だくの俺に水を飲ませてくれた。

翻訳アプリで本当にここなのか?連絡先は知らないのか?と聞いてくれた。
地図ではここだし連絡先は分からない。
おじさんに周りを探してくるから、バックパックを置かせてくれないかと頼むと快諾してくれた。

しかし周りを探すが見つからない
おじさんの元に戻り、お礼を言ってバッグを持とうとすると、ちょっと待てと言われる。
おじさんはどこかに電話をかけると俺に電話を代わった。
出ると、相手は片言の日本語で、あなたはどこにいますか?何に困っていますか?これからどうしますか?と聞かれる。
おじさんは、知り合いの日本語が喋れる方に電話してくれて助けようとしてくれた。
その後、電話の方は、おじさんはあなたが探している場所を探して連れて行く、または違うホテルに送ると言っています、と通訳してくれた。
おじさんはもちろん営業中。他のホテルも高い場所では泊まれなくて申し訳ない。
丁重にお断りして、お礼を言った。
おじさんはその後も何度も助けると言ってくれた。

最後は飯食っていかないか?とまで言ってくれたが、まだ探さなきゃだし申し訳ないのでお断りした。何度もお礼を言った。
おじさんは仕事中なのに、本当に優しかった。

この時点で13時。まだ昼だから焦るほどでは無い。
ひとまず調べていた宿の情報も尽きた。
そしてこのマンションシステムをどうにかするにはもう一度調べるしかなかった。
予約サイトの宿の名前は英語。漢字名や連絡先、入り方を調べないといけなかった。
予約サイトにあるんだから絶対に近くにあるはずだった。

おじさんのお誘いを断っといてあれだけど、敷地内のWi-Fiのあるご飯屋さんに入った。


鍋焼きの肉団子と豆腐。13元、220円。
めちゃくちゃ美味かった。

調べると、連絡先や入り方は分からないが、中国の地図アプリと照らし合わせて、漢字名と正確な場所が分かった。
予約サイトや普段使っている地図アプリに表示されている場所と若干ずれていた。

そして、この敷地内にもう1軒見つけた。
あと、それでも空振りした時のため駅前の少し高い宿を3軒調べ足した。


食べ終わって、再び正確な場所にもう1度行ってみるが、無い
建物の中に入って聞いて回っても知らないと言われる
一人おばちゃんに気味悪がられた。そりゃいきなり住居前に大きなバッグ持った汗だくの中国語喋らない奴が来たら驚く。申し訳ないことをした。

地図に出ている建物の1階に役所的な場所があって、そこに入ってもう一度宿を知らないか聞いてみた。
知らないと言われる。

諦めて外に出たら、役所の中にいた10代後半の若い女の子があとを追いかけてきてくれた。
腕をとられて、ついてきてと言われる。

中国語で話しかけられるが、日本人だと伝わり、英語で話してくれた。
ただお互い英語の文章にはならない単語だけだけど。

連れて行かれたのは交番だった。
警察に女の子は色々説明してくれて、俺も地図を見せるが知らないみたいだった。

交番をあとにして、もう自分で探すから大丈夫だと伝えるが、ずっと一緒についてきてくれて一緒に探してくれた。
街の住人に片っ端から聞いてくれた。
ただ皆さん知らないみたいだった。


敷地内にあるもう1軒にも行くが、看板は無いマンションだった。

何度も、もういいよ、大丈夫だよ、ありがとうと言っても
あなた困るじゃない、一緒に探すとついてきてくれた。

近くに調べていたのとは別の、看板がある宿の建物があった。
ここは間違いなく宿なので値段だけでも聞ければと、一緒に中に入った。
受付で、女の子は必死に色々説明してくれるが、宿の人は泊められない的なことを言った。
外国人は泊められない的なやつだった。

外に出て女の子に、俺はもう諦めて駅前に戻ると伝える。これ以上は期待出来なかった。
女の子は最後に駅前までの路線バス番号を教えてくれて、バス停まで送ってくれた。

最初のおじさんも、女の子も、めちゃくちゃ優しくしてくれた。本当にありがたかった。
同時に中国語を喋るし、本当は何人かは分からないけど中国人とは違った。
中国人も優しいんだけど、また種類が違う接し方をしてくれた。
おじさんや女の子に限らず、道端で聞いた人達も、警察の人も、中国とは違った。
凄く不思議な感じだった。東チベットの時ともまた違う。

路線バスでウルムチ南駅に戻る。
戻ると17時過ぎ。7時間たって振り出しに戻った
汗だくだし、こんなに長時間バックパックを背負った事が無かった。
金属が当たる背中が痛かった

昼食時に新しく調べた、駅前の2軒の宿に行ってみる。
しかし、ここまでと一緒だった
予約サイトや地図アプリに示された場所にはマンションがあるだけ。
看板やそれらしき物は無い。
近くにいた警察官や、お店の人に聞いても知らないという。

仕方がないので、近くにあった看板を出している予約サイトには載っていない宿に行ってみる。
しかし受付でパスポートを出したら断られた。外国人NGらしい。
もう1軒行ってみるが同じようにダメだった

ここで何となく分かってきた。
ウルムチにある宿はほとんどが外国人がNGなんだ。
予約サイトにも宿は載ってはいるが、空室無しと表示されていた。
俺はそれを、予約サイト分が終了で、飛び込みで行けばなんとかなるかもと思っていた。
実際今までそういうこともあった。
ただ、空室無し表示だけど、ウルムチではそれは単純に日本人登録している俺には予約出来ないということみたいだった。

近くのWi-Fiがある喫茶店に入って、ジュースだけ頼んで調べなおす。
この時点で18時を過ぎている。

予約サイトの、値段は高いが、空室あり表記で、尚且つキャンセル代無料の宿を予約する。
高いけど、予約出来るということは泊れるはずだった。
ただ、また見つからないかもしれないのでキャンセル代無料の場所にした。
その宿まではまた少し距離がある。
再び仕方なしにタクシーに乗った。10分ぐらいで10元、180円ぐらい。

宿の場所は、地図にはウルムチでも有名な人民公園の敷地内に表示されていた。
公園内の地図の場所に示されている場所に行くが無かった
本当にどうしようも無かった。これでダメだと本当に泊まるところが無い

人民公園。


公園を出ると、目の前に大きなホテルがあった。
最後の望みでホテルに入り、受付の人に予約した宿の場所を知らないか聞いてみた。
地図には公園内に表示されるが、実際には無かったことを身振り手振りで説明すると、すぐに調べてくれた。

すると、実際にある宿だった。
しかも近いが、場所は地図に表示されている場所とは全然違った
お礼を言って向かってみる。

歩いて10分、予約した宿はあった。
予約も出来ていて、外国人の宿泊も大丈夫だった。
なんとかなった。この時点で2010時間ぐらい探した
ウルムチの日没が遅くてなんとか助かった。

宿はシングルで1700円。いつもの3倍以上するけど仕方ない
無料のバスタオルがあったので、いつも使っているバスタオルと溜まっている洗濯物を洗濯する。

21時過ぎ、夕食へ。
宿近くに安い麺屋さんがあった。


冷麺。7元。120円。安い。
大盛りだし美味しかった。

再び宿に戻り明日以降を考える。
ウルムチ市内に見たい物は正直無い。
周辺の観光地を調べなおすが、どうしても行きたいという場所も無い。

そうしたら明日出国した方が無難だった。
周辺の街に行ってもまた宿が無いとかもあるかもしれない。

現在カザフスタン行きのバスがあるとは限らない。
明日バスターミナルに行き、チケットが取れればカザフスタンに向かう。

無かったり、もし上手く出国出来なくても、キルギスに抜ける他のルートがある。
もし両方ダメだとしても、再びウルムチに戻り、飛行機に乗る事も出来る。
全て試したとしても、まだビザ日数はある。

寝るまでバスターミナルの事や、カザフスタン国境のこと。
到着地や、辿り着けなかった時のために途中の街の宿も調べる。

結局ウイグルを通り過ぎるだけになってしまうが、仕方なかった。

0時半、就寝。



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